8月の商業に関わる販売動向調査

 当所では塩尻市内の商業の状況を把握し、今後の施策等の参考にするために定期的に商業に関わる販売動向の調査・分析を実施しております。今回は8月の前年同月比での聞き取り調査を実施しました。調査の概要は下記の通りです。

※調査日:9月2日~9月14日 グラフ画像をクリックすると拡大されます。

調査結果の概要
 引き続き売上、客数、客単価、粗利益は減少傾向であるものの、僅かに改善傾向が見えます。3月の東日本大震災後急激に冷え込んだ消費マインドが少しずつ持ち直していると思われます。また原材料・仕入価格については上昇傾向が見られます。

 販売動向は依然として基調に厳しさがありますが、徐々に上向いてきました。東日本大震災から半年近くが経過し、次第にその影響が薄れ、わずかに改善した店舗等も見られました。
 8月前半は高温や節電の影響により衣料、寝具、雑貨で暑さ対策、省エネに関わる夏物商材の動きが良好でしたが、後半になると天候不順や気温の低下により夏物商材の動きが鈍くなりました。また全般に7月まで好調であった地デジ対応テレビの動きが落ち込んだほか、補助金打ち切りによる自動車販売、5月の焼肉店食中毒事件の影響を受けた牛肉や牛肉を扱う外食は厳しさがありました。このような状況の中、サービス面の強化、独自の販売促進や商品の訴求などが奏功し売上増を図った店舗も見られました。
 地域別にみると、大門地区では、1年前のウィングロードのリニューアルやえんぱーく開館後、若い層が次第に街へ足を運び、周辺店舗へ波及しているケースが見られ、中高年が中心である客層に変化が生じています。
 広丘地区では、広丘駅周辺の整備や国道19号の拡幅整備等の影響で、人や車の流れに多少の変化が見られました。駅東側の国道19号線沿いは客数増の店舗がある一方で、駅西側では人通りが少し減少したとの声がありました。
 楢川地区ではNHK の連続テレビ小説「おひさま」の効果により、奈良井宿は観光客が増加したことで、他の地域と比べ売上等は良かったものの、平沢では漆器産業が依然厳しい状況です。
 東日本大震災後半年近くが経過し消費は徐々に持ち直しているものの、全般に消費者は出費を抑える傾向があるようです。趣味や娯楽など不要不急な消費を控え、消費サイクルを長くしたり、購入に慎重さを増すなど、依然生活防衛的な面が見えます。