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令和元年度 塩尻市商工業施策に関する建議を提出しました

10月2日(水)に商工会議所の各委員会・部会及び様々な会議で出た意見を、今年度は15項目にまとめ、塩尻市商工業施策に関する建議として市に要望をいたしました。

中島会頭より小口市長へ提出しました

建議―1 事業所・経営支援の充実について

中小企業、小規模事業所においては、構造的な人手不足・働き方改革への対応・最低賃金の引上げ等の課題に直面し、会社経営自体を圧迫しており、今後の事業継続に対してネガティブなイメージを多くの経営者が抱いています。当所との情報交換を含め更に連携を深めて、改正法により行政と共同して作成が求められている経営発達支援計画や地方創生計画の見直しなど今後の様々な国の方針や施策に対して、事業所が安心して経営を継続できる環境づくりと産業振興コーディネーターの拡充や制度資金・補助金等の充実を図るなど支援の強化をお願い致します。

建議―2 塩尻のブランド普及及びワインブランドの一層の促進による経済活性化について 

塩尻にはワイン・漆器・山賊焼・そば・奈良井宿などのブランドのほかにも表に出てきていない多くの貴重なブランド財産が眠っていると思われます。現在のインバウンド観光もSNSを通して、思わぬところから観光名所につながることが多くあります。今後も行政を始め関係機関と連携して市民、事業所が一体となってブランドの掘り起こし、情報発信・観光PRに取り組んで参りたいと考えていますので、ご協力よろしくお願い致します。また、以下の2点の要望へのご対応をお願い致します。

1)奈良井宿への観光客があっても、そのまま松本城などに足を向けて通過してしまいます。また、塩尻駅に毎日多くの観光客が乗降しておりますが、その多くは観光バスで他の地域に流れ、市内での飲食や宿泊等に繋がっておらず塩尻は通過点でしかありません。広く知られつつある「ワインのまち塩尻」のブランドを絡めて、ワイナリー巡りを楽しむためのワイン街道の検討や人気のあるワイナリーフェスタだけでなく、年間を通じた観光客の集客・滞在型観光に繋げるために、桔梗ヶ原を拠点としブドウ狩りや市内ワイナリーのワインが飲めて食事を楽しめる観光施設の整備とともに民泊やゲストハウス開業促進による宿泊施設の充実に向けた検討や空き家・空地を有効活用した塩尻駅周辺への商業施設開業促進など更なる経済効果を望める仕組みづくりをお願い致します。

2)ワイナリーフェスタのチケットを市民・市内事業所の方が入手することが困難であり、当所にも入手に関する問い合わせが多くあります。今後会議所としても毎月20日の「ワインの日」に会議を設営するなど検討を始めていますが、市民に地元ワインの普及を推進するためにも更なる「ワインの日」を活用したイベント・普及事業のご検討をお願い致します。また、広丘商店街とセイコーエプソン(株)広丘事業所との交流を図りつつあるが、エプソン社員・広丘住民をターゲットとした広丘でのワインイベントなどのご検討も併せてお願い致します。

建議―3 塩尻インターを中心とした周辺一帯の施設・景観整備及び開発について

塩尻インターを降りると観光客が立ち止まるような施設が少なく寂しい状態です。「交通の要所である塩尻」を活かし塩尻インター周辺の土地利用の高度化を図ることによる商工業活性化策のご検討と昨年の要望によりご検討いただいている小坂田公園周辺の開発とともに、そこからつながる塩尻市で魅力的な景観展望の場所としての通称東山山麓しののめ街道沿道とFパワープロジェクト周辺地域に対して、街道沿いを美しい花で彩り花街道として今以上の魅力を持たせるための整備や高ボッチへのウォーキングコースの整備と景観を守りつつ信州そばなどの飲食店・商店が出店できるよう土地活用のご検討をお願い致します。併せてそれらの場所と塩尻駅・広丘駅をつなぐシャトルバスの運行などの市街地を含め広域的に相乗的効果を図る施策もご検討をお願い致します。

また、昨年要望しご検討いただくことになっている交通の要所としての「自動運転の推進」とともに、市民の安心・安全な交通環境の整備に向けて引き続きご検討をお願い致します。

建議―4 塩尻駅北土地区画整理事業及び新体育館整備に伴う

塩尻駅西口地域の土地高度利用と開発整備について

塩尻駅北土地区画整理事業において住宅及び店舗の建設が始まるとともに、隣接して 新体育館の建設も進められています。今後、駅西の人の流れや交通の流れが大きく変化することが見込まれます。商業を中心とした店舗誘致など地域全体のまちづくりビジョン、都市計画の見直しや開発計画の策定に当所も参画する中でご検討をお願い致します。

建議―5 塩尻市への定住者増加のための住宅の建設支援について

少子・高齢化社会が進展していく中で、高齢者や子育て世帯等が安心して暮らせる生活基盤の整備が必要と考えます。空き家、空地などの有効活用や市内への人口誘導策などを行うことで、固定資産税、所得税、住民税等が増えて、地域の消費も増加し街の活性化につながります。都市再開発法に基づく都市機能の更新を図ることを目的とした補助金制度はあるが、農村部の優良建築物等整備事業についても対象範囲を拡げるなど農村部の過疎対策・住宅建設促進策として市独自の補助制度のご検討をお願い致します。

建議―6 働き方改革による市内建設業の将来の担い手確保・育成について

本年4月から働き方改革関連法が施行され、建設業については5年間の猶予期間が設 けられているものの、長時間労働の是正への対応は待ったなしの状況にあります。また、将来に向けた担い手を確保していくためにも、週休2日制の導入など市内事業所の労働環境の改善は喫緊の課題となっています。

つきましては、市でも将来の担い手となる若年労働者の入職促進・定着や、高齢者・女性・外国人労働者など多様な人材が活躍できる機会の拡大を図るためにも、週休2日制工事の早期導入やゼロ市債・繰越し制度の柔軟な運用をご検討いただけるよう特段の配慮をお願い致します。

建議―7 人材確保・人材育成の支援について

人材不足は、日本全体の大きな課題となっております。

そのため海外から労働者を確保せざるを得ない業種も多くなってきており、外国人労 働者受入の支援施策のニーズも増えています。当所では、「出張シリゼミ」「大しごとーく」などを通じて直接学生と触れ合う場の創出や、HPでリアルタイムの会員事業所の求人募集の情報提供などを行っております。市におかれましても、関係機関と連携のうえ、新卒の大学生や地元の高校生がこの地域で就職できるような就労推進策やプロフェッショナル人材、外国人、障がい者、首都圏の複業人材など多様な人材の確保へ向けた補助制度などと併せて、引き続き人材確保に向けた各種事業への積極的な支援をお願い致します。

また、建設建築関係を中心に各業種の若手従業員がいつまでにどのくらいの技術を習 得する、させるを目的とした人材育成の支援・制度設計をお願い致します。

建議―8 インターンシップ支援の継続について

当所では市から委託を受けて事務局を務める塩尻地区労務対策協議会の事業として、「実践型インターンシップ」を行っています。人口、労働力、中小企業数の減少、少子高齢化の加速、地方の疲弊と東京一極集中といった構造的な地域課題解決に向けて、国も施策として教育の面からのインターンシップを推進しています。これまでに全国から64名の学生が塩尻のインターンシップに挑戦し、4名が市内に就職しています。近年は、大学1・2年生が多くすぐには就労に結び付くものではなくなっていますが、塩尻市を好きになり、塩尻市に何度も足を運んだり、PRしてくれるインターンシップ経験者がいるなど、関係人口を増やすとても良い手段になってきています。

来年度でインターンシップの資金源の地方創生交付金が終了してしまいますが、日商 をはじめ全国的にも評価をいただいている塩尻市のインターンシップ事業を、今後も地方創生の塩尻市の施策として継続していただきますようお願い致します。

建議―9 発注工事の分離発注について

市内水道事業者は、事業者数の減少及び各事業者の社員数の減少問題から、若手技術者の育成もなかなか進まない状況下にあります。一方、市内の工事状況を見ると、鉛製給水管の解消工事の終了により、配水管の改良が行われていますが、工事の大型化が進み、取り扱いの数量としては減少傾向にあり、少額工事はほとんどない状況になっています。

各水道事業者が人材の維持・確保及び若手の育成を行っていくためにも、現場で育成を図っていくことが第一であり、市発注工事においてもできるだけ大型工事の分離発注をお願い致します。

建議―10 「しおじり・あったか・き・づかいの家 補助金」の継続

及び森林再生の推進について

昨年も要望し継続いただいている「しおじり・あったか・き・づかいの家 補助金」について、この補助金を活用して市内事業者を利用し住宅建築をする市民がいることも踏まえ、引き続き継続し、ニーズに応じて拡充して頂くようお願い致します。併せて市民はもちろんのこと、事業者にも周知されていない状況もあるので、幅広いPRをしていただくようお願い致します。

また、戦後の一斉植林から、数十年経過した森林には利用可能な木材がたくさん存在しているにも関わらず、間伐されないなど管理が十分に行われていない状況です。塩尻市が取り組んでいる木育事業の大きな目的であるCO2削減による環境問題の改善にも、地面に光が届き、光合成をしっかり行う本来の正常な森林を作ることが大切です。健全な森林整備により、現在多発している鳥獣被害の減少にもつながります。

木材の利用促進を図るためにも、木材の切り出しから木材販売まで川上から川下までの一体的な森林施策を進めることが重要であります。林業に関係する業界において、長期的視野で人手確保・育成や機械化への投資などが難しいことから、森林整備に向けた総体的な長期計画・産業支援策のご検討をお願い致します。

建議―11 「えんてらす」を拠点とした広丘地域のにぎわい創出について

7月1日にオープンした北部交流センター「えんてらす」は開館以降、広丘の老若男女すべての世代の方々に多く活用されております。今春から始まったセイコーエプソン(株)広丘事業所様の増設に伴う意見交換を継続するとともに、当施設を拠点とした広丘駅周辺の商業関係店舗の利用拡大や、にぎわい創出につなげるための総合的な事業の企画・運営に対して、広丘商工会など関係団体との連携・交流を一層深める中、広丘地域の商業活性化へ更なる支援をお願い致します。

また、「えんてらす」への車の往来をスムーズにさせ、来館者の安全のためにも、広丘駅北側踏切の拡幅をお願い致します。

建議―12 木曽漆器の購入補助金の復活について

以前に実施いただいた木曽漆器普及拡大支援事業補助金では、市内事業者に漆器製品 をご購入いただき、漆器製品の良さを知ってもらうとともに、テーブル・イス・食器や箸などを店舗で利用してもらうことで多くのお客様にその良さが伝わっていると思われます。補助制度は終了しましたが、市内全域でもまだまだ木曽漆器の認知度は低い状態です。開始から5年以上が経ち、購入頂いた木曽漆器製品も修繕の時期を迎えているものもあり、今一度市内への木曽漆器の普及とともに対外的なPRを目的とした新たな木曽漆器の購入補助制度のご検討をお願い致します。

建議―13 市営球場のリニューアルについて

当所では、毎年、塩尻商工野球大会を開催しており、塩尻市営球場を利用させていただいています。最近は当球場の老朽化を感じるとともに、住宅建設により打球など周辺住民への危険な影響も増えていると聞いています。

少年野球による青少年の育成を含め公式の野球大会が開催できる場を整備することにより、多くの野球関係者を集めることができます。また、市内事業所に勤める社員の方々も当施設を使い、多くの方と親睦を図っております。市内の商業・飲食店舗の活性化につなげることも配慮する中で、球場の移転及び整備のご検討をお願い致します。

建議―14 塩尻市内工業団地内の除雪範囲の拡充について

降雪の際には工業団地内の道路を除雪していただいていますが、除雪箇所が幹線道路 など一部に限られており、除雪が行き届かない箇所では冬季期間の圧雪や凍結などで危険な状態が見受けられます。各工業団地の事業所の要望をお聞きいただく中で、関係車両が安全に出入りでき、従業員の皆様が安心して工業団地に通勤できるよう除雪範囲の拡張をご検討いただきますようお願い致します。

建議―15 道路等の整備及び改良について

1)老朽化した市道の早期修繕について

市内の多くの市道は、穴やひび割れ等が多く見受けられ、市道の老朽化が著しく進んでおり、車両等の損傷事故が多く発生しています。年度の計画対象外の市道であっても、経年劣化や損傷が進行しているので、計画とは別枠での修繕の予算を計上し、営業車両をはじめ、市民が安心・安全に生活できるよう予算の確保と早期修繕をお願い致します。

2)都市計画道路広丘東通線の整備促進について

都市計画道路広丘東通線の沿線には、セイコーエプソン(株)広丘事業所や角前工業団地があり、また、令和4年度から令和7年度に野村桔梗ヶ原土地区画整理事業12.7ヘクタールの工事が予定されており、一帯が工業地帯として拡大し交通量もさらに増えることが見込まれます。また、建設を進めている新体育館を利用する吉田地区住民の利便性を図るアクセス道路としても必要であります。

つきましては、来年度から南北に広がっている市街化区域を結ぶ幹線道路とともに、市の活性化や大災害時の幹線道路を確保するなどのためにも、「都市計画道路広丘東通線」の整備を最優先に位置づけて、早急に整備促進を図るようお願い致します。

3)角前工業団地内の道路等の補修・整備について

角前工業団地内の道路の損傷や痛みが激しいため、道路の補修や整備をお願い致します。

角前工業団地は運送会社が10社以上あることに加え、セイコーエプソン(株)   広丘事業所の工事に伴う工事車両など多くのトラックが通ることで道路の消耗が激しい状況でもあります。道路の状態が悪いと強い振動によりトラックの積荷に影響が及ぶ恐れがあります。また、この地域の水はけは悪く、雨天時には側溝の水が溢れ、側溝のふたが持ち上がるなど危険な状態になることもありますので、排水設備の整備も併せてお願い致します。

4)奈良井宿道路の補修について

奈良井宿には外国人を含め様々な形で多くの観光客が訪れています。

しかしながら、景観を楽しみながら歩く道路が、経年劣化のため痛みが激しくガ  タガタになっており、観光客のキャリーバックを運んでいる音などが気になる状態でもあります。気持ちよく観光客のみなさまが散策できるよう景観維持を含め宿場内の道路整備をお願い致します。